グレーディング会社の中から人気の高いARS・PSA・BGSの三社を徹底比較。PSAは日本支社を対象としてます。
各グレーディング会社の料金、納期、特徴等を比較してみたよ
TCG鑑定とは
傷、センタリング、真贋等、カードの状態をあらゆる角度から鑑定しグレーディング化。保存状態や資産の保護を担っているのがTCG鑑定である。
各グレーディング機関によりその基準は異なるが、PSA10やBGSのブラックラベル等、鑑定により高グレードを付与されることで、そのカードの資産価値は何倍にも跳ね上がる。
鑑定されたカードは硬質プラスチックの特殊なケースに超音波溶接され、カードを衝撃や湿気から守り半永久的に保存できる設計となっている。
鑑定後はカードごとにIDが振り分けられ、偽造防止や鑑定の詳細情報を確認することも可能。
TCG鑑定機関は国外を中心としていたが、TCGブームが過熱する昨今、2018年にはPSAの日本支社、2022年には国内初となる鑑定機関ARSがグレーディングサービスを開始する等、国内のTCGブームは今後さらに需要が高まることが予想される。
カードを鑑定に出すことで資産の保護や市場価値の上昇等、鑑定費用以上のメリットがたくさんあるよ。
各グレーディング会社の特徴
初めにARS、PSA、BGS3社の特徴を簡単に説明するね
ARS
2022年からサービスを開始した、日本初となるグレーディング及び真贋鑑定サービスのARS(アルス)
TCG鑑定は海外でのやり取りが主軸となっていたが、ARSではカードの受付から納品までの全てが国内完結。
これによりカードの損傷、紛失等のリスクを大幅に減らせる他、英語でのやり取りを必要としない分申込のハードルが一段と低くなっている。国際便がないため納期も短め。
納品の短期化、紛失リスクの低減、申込の簡易化等、国内で完結できるメリットは非常に多い。
カードを最大限引き立たせてくれるケースデザインも魅力。
PSA
1991年に創立した世界最大のグレーディングサービス機関。
TCG鑑定と言えばPSAと言われる程確固たる地位を築き、トレカ専門店やオリパ等でもPSAを採用した鑑定済み商品が数多くラインナップされている。
どの鑑定機関よりも多くのコレクターに支持されており、コイン、メモラビリア(直筆サイン入りのボールやシューズ)等のグレーディングも行う。
2018年にはPSA日本支社を開設。その他にも、カリフォルニア、上海、香港、パリに支社を有す等、知名度では間違いなく業界トップ。
しかしその圧倒的な知名度が故に、PSA10を偽った模造品の被害も後を絶たない。
BGS
1991年からグレーディングサービスを開始したBeckett Grading Service(通称:BGS)
BGS最大の特徴はその鑑定基準の厳しさ。しかしその厳しさ故にカードに付く付加価値はどの鑑定機関よりも市場価値が高い。
BGS9がPSA10の評価を覆す程市場価値が高いわけではないが、PSA10よりBGS10の方が高い傾向にある。
BGS最高評価であるブラックラベルは、カードのセンタリング、コーナー、エッジ、サーフェスの全てが最高得点の評価を得ることで獲得できる。
ブラックラベルの市場価値はどの鑑定機関で得る評価よりも価値が高いが、獲得率は全体の10%以下と極めて低い。他の鑑定機関を比較対象として考えるのであれば、ブラックラベルはPSA11やARS11ぐらいの超えられない壁が存在すると考えてくれれば判りやすい。
アメリカのテキサス州に拠点を構えているため、万が一輸送等のトラブルが発生した場合は全て英語での問い合わせが必要になるのが難点。
カードケースの特徴
カードケースのデザインもサイズやグレードの表記方法等、各グレーディング機関ごとにそれぞれ違いがある。
ARS、PSA、BGS3社のケースデザインを紹介するね
ARS
ARSケースサイズ | |
---|---|
縦 | 131mm |
横 | 83mm |
厚さ | 9mm |
「カードは芸術品」と掲げているARS。その言葉通り洗練されたスタイリッシュなカードケースは、シンプル故により一層カードを引き立ててくれるデザイン。TCGカードを芸術品へと昇華してくれる。
他のグレーディング会社と大きく違うところは、カードのグレードを表面ではなく裏面に表記。これにより、カード本来の魅力を損なわず、最大限カード鑑賞を楽しめるデザインとなっている。
個人的には一番ARSのデザインが好きです
鑑定書
ARSの鑑定書はカードの情報及びグレードの視認性を高めると共に、セットで飾ることでより一層カード鑑賞を楽しめる。
グレードにより鑑定書の箔押しデザインが変化し、最高評価の10+を獲得すると箔押しが金箔仕様に。
- グレード1~9:銀ホログラム
- グレード10:金ホログラム
- グレード10+:金箔
PSA
PSAケースサイズ | |
---|---|
縦 | 136mm |
横 | 81mm |
厚さ | 6mm |
超音波溶接で密封状態を維持してくれるPSAケース。
硬質プラスチックの特殊なケースでカードを衝撃から守るのはもちろんのこと、水の中に沈めてもカードが濡れることのない密封性を有している。
公式からの発表では「PSAケースは紫外線を50%カットする」とのことだが、実際に紫外線の元にPSAケースを置くと、紫外線の影響でカードが色褪せてしまうことが判明。
紫外線の影響からカードを保護するには、UVシート等でPSAケースを保護するか、暗所での保管が必要になってくる。
BGS
BGSケースサイズ | |
---|---|
縦 | 131mm |
横 | 83mm |
厚さ | 9mm |
ARSのケースと同サイズ、PSAより3mm厚さがある分強度が高くゴツい。グレード表記はPSAと同じく表面に記されている。
PSAと異なる点は、カードをスリーブに入れてから超音波溶接で密封するため、カードが直にケースに触れることが無い。
要約すると世界最高水準のブラックラベルがバチクソかっこいい。
鑑定料金
ARS
鑑定料金 | 納期 | ||
---|---|---|---|
申告価格 | グレーディング+真贋鑑定 | 真贋鑑定 | 1~3か月 |
1~50,000円 | 3,300円(税込み) | 2,200円(税込み) | |
50,001~300,000円 | 5,500円(税込み) | 3,300円(税込み) | |
300,001~800,000円 | 16,500円(税込み) | 7,700円(税込み) | |
800,001~1,500,000円 | 66,000円(税込み) | 27,500円(税込み) | |
1,500,001~3,000,000円 | 99,000円(税込み) | 55,000円(税込み) | |
3,000,001~5,000,000円 | 132,000円(税込み) | 77,000円(税込み) | |
5,000,001~8,000,000円 | 198,000円(税込み) | 110,000円(税込み) | |
8,000,001~10,000,000円 | 275,000円(税込み) | 165,000円(税込み) | |
10,000,001円~ | 385,000円(税込み) | 220,000円(税込み) |
先着性とはなっているが、別途2,200円でエクスプレスサービスを利用すると、納品から鑑定まで2週間以内に行ってくれる。すぐに鑑定して欲しい人にはおすすめのサービス。
エクスプレスサービスは納品スピードが人気でわずか数分で枠が埋まってしまうよ
鑑定書料金 | |
---|---|
申告価格 | グレーディング+真贋鑑定 |
1~300,000円 | 1,100円(税込み) |
300,001~800,000円 | 2,200円(税込み) |
800,001~3,000,000円 | 3,300円(税込み) |
3,000,001円~ | 5,500円(税込み) |
送料 | |
---|---|
一律800円 |
PSA日本支社
鑑定料金 | 納期 | |
---|---|---|
申告価格 | グレーディング | 5か月 |
1~50,000円 | 3,300円 | |
50,001~150,000円 | 8,800円 | |
150,001~250,000円 | 16,500円 | |
250,001~500,000円 | 33,000円 | |
500,001~1,000,000円 | 66,000円 | |
1,000,001~2,500,000円 | 110,000円 | |
2,500,001~5,000,000円 | 220,000円 | |
5,000,001~10,000,000円 | 330,000円 | |
10,000,001~25,000,000円 | 550,000円 | |
25,000,000円~ | 1,100,000円 |
保険と送料 | ||||
---|---|---|---|---|
申告価格 | 保険と送料 | |||
~100,000円 | ~8枚 | 1,900円 | 9~25枚 | 2,500円 |
~500,000円 | 3,400円 | 4,000円 | ||
~1,500,000円 | 4,200円 | 4,800円 | ||
~2,500,000円 | 4,900円 | 5,200円 | ||
~5,000,000円 | 6,100円 | 6,800円 | ||
~7,500,000円 | 6,900円 | 8,300円 | ||
~10,000,000円 | 8,400円 | 9,800円 | ||
~15,000,000円 | 12,500円 | 13,500円 | ||
15,000,001円~ | 13,600円 | 15,600円 |
納期はどのグレードでも5ヶ月が目安だよ
BGS
プラン | サブグレード | 料金 | 納期 |
---|---|---|---|
Collectors’ Special | 無し | 16$ | 60営業日 |
有り | 18$ | ||
Base | 無し | 18$ | 60営業日 |
有り | 22$ | ||
Standard | 無し | 30$ | 10~20営業日 |
有り | 40$ | ||
Priority | 無し | 100$ | 2~5営業日 |
有り | 140$ | ||
Next Day | 無し | 400$ | 1営業日 |
有り | |||
Immediate | 無し | 500$ | 当日 |
有り |
一番鑑定料金の安いCollectors’ Specialは最低10枚からの受付だよ
保険料 | |
---|---|
申告価格 | カード保険料 |
1~1,000$ | 16$ |
1,001~2,000$ | 32$ |
2,001~3,000$ | 48$ |
以降、申告価格が1000$上がるたびに16$の保険料が加算される |
送料 | |
---|---|
国際配送 57$ |
目的別 おすすめのグレーディング会社
鑑定費用で選ぶ
提出カードが1枚、申告価格が50,000円以下 | ARS or PSA |
提出カードが複数枚、申告価格が500,000円以下 | PSA |
鑑定カードが高額、申告価格25,000,000円以上 | ARS |
BGSは国際配送の関係で配送料や関税の分料金が割り増しになってしまうため、鑑定料金を安くしたい人には向かない。
特に鑑定会社のこだわりがなく、できるだけ鑑定料金を抑えたいというのであればARS、PSAがおすすめだよ。
条件別の鑑定料金比較
条件に応じてかかる料金比較。
料金は各社変更になる場合があるため、あくまでも参考例程度にして下さい。
鑑定カードが1枚 申告価格が最低グレードの場合
料金比較の前提条件 | 料金 | |
---|---|---|
ARS | 申告価格50,000円以下の鑑定書付き | 5200円 |
PSA(日本支社) | 申告価格50,000円以下 | 5200円 |
BGS | 申告価格1,000$以下 | 95$(1ドル140円換算で13300円) |
鑑定カードが複数枚 申告価格が最低グレードの場合
料金比較の前提条件 | 枚数 | 料金 | |
---|---|---|---|
ARS | 申告価格が1枚50,000円以下の鑑定書付き | 10枚 | 44,800円 |
PSA(日本支社) | 申告価格の合計が50,0000円以下 | 10枚 | 37,000円 |
BGS | 申告価格が1枚につき400$迄(合計500,000円迄) | 10枚 | 301$(1ドル140円換算で42,140円) |
鑑定カードが高額な場合
料金比較の前提条件 | 料金 | |
---|---|---|
ARS | 申告価格10,000,001円~ | 391,300円 |
PSA(日本支社) | 申告価格25,000,000円~ | 1.113,600円 |
BGS | 申告価格25,000,000円~ | 5679$(1ドル140円換算で795,000円) |
BGSは国際配送になるため、送料、鑑定料、カードの枚数、返送時の送料に10%の消費税と3%の関税が発生するので、上記の表よりも料金が高くなる。
関税や内容物の総額が20万円以上になると、輸出申告と輸入申告の手続きも発生しちゃうよ…
納期で選ぶ
ARS | 1~3ヶ月 |
エクスプレスサービス:到着から2週間以内の鑑定 | |
PSA(日本支社) | 5ヶ月 |
BGS | 当日鑑定(配送にかかる日数は別) |
鑑定費用を全く気にしないのでればARS、BGSがおすすめ。
ただしARSは受付期間が限定されているため常に鑑定に出せるわけではないのと、エクスプレスサービスは申込開始後数分で枠が埋まってしまう。
BGSのImmediateプランであれば到着当日に鑑定してくれるが、その分料金も500$とお高め。
費用はいくらかかってもいいし自分のタイミングで鑑定に出したい!って方にはBGSがおすすめだね。
市場価値で選ぶ
現状BGSのブラックラベルを超える鑑定結果は存在しておらず、とにかくカードとしての価値を高めたいというのであれば圧倒的にBGSがおすすめ。
ただし鑑定基準が非常に厳しく、大体カードのセンタリングで9.5や9を付けられるパターンが多い。
カードの状態に自信が無いのであれば他の鑑定機関に提出した方が得策。
カードの状態が良かったらBGS鑑定が最も付加価値を付けられる可能性が高いよ
鑑定済みカードの市場価値比較
市場価値だけにスポットを置くならば、ブラックラベルがARS10やPSA10に何倍もの差をつけ圧倒。
比較で出したナンジャモやミモザに限った話ではなく、ブラックラベルを獲得するとその価値は何倍にも膨れ上がる。
国内初のグレーディング機関となるARSも、ARS10+の評価を受けるとPSA10やBGS10よりも市場価値が高い傾向になる。
ナンジャモSRのブラックラベルだと6.5倍以上もの価値が…
まとめ
鑑定費用を安く済ませたい | ARS、PSA |
費用がかかっても納期を早くしたい | GBS |
高い以上価値に憧れる | GBS |
筆者の場合はカードの状態がいいならBGS、それ以外はデザインが好きなのでARSという風にしている。
一般的な普及度で言えばPSAが一番多く認知度も高いが、ブラックラベル以外の価値はそこまで大きな差はないため、自分の好きなデザイン等を考慮して決めるのがいいと思います。
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